教育工学的な授業・教材・教育システムの設計に必要な基礎知識を習得し,活用できるようになるとともに、それに関連した最近の研究動向を把握することを目的とする。
教育工学的な教材設計手法を経験的に習得するために,効率的な教材開発を可能にするe-leaning教材開発プラットフォームであるIAGシステムとパワーポイントを併用して、各授業の学習成果を活用する演習を行う。また、開発した教材について、研究論文として成果をまとめ、発表する活動を行う。
1) 教育工学研究の評価観点を挙げ,文献研究を通じて新規性のある教育工学研究のテーマを発想する視点や方法を習得し,適用できる。
2) 「問題解決の縦糸・横糸モデル」と教材開発の演習体験に基づき,より良い研究をする上で必要な手続き,見方・考え方,内部知識を,具体例に則してそれらが必要な理由とともに説明できる。
3) 授業・教材設計に有用な学習者モデル,教材設計の枠組み,対話制御の方略,学習評価や効果検証の方法を説明したり,実践の場で適用したりできる。
教育工学,インストラクショナルデザイン、IDプロセスモデル、学習科学、教授学習過程,教育目標分類,学習者モデル、メタ認知、見方・考え方,次元分け,9教授事象,ARCS動機づけモデル、GBS理論
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
各回に対応して,e-learning教材を用意するので,事前学習して授業に参加することを必須とする。教材の最後に,事前課題が出題されるので,授業では,まず,事前学習での知識獲得の確認テストを行い,解説をした後,課題に取り組んだ成果を相互評価したり,議論したり,それを具体的な教材として実装することに焦点を当てる。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 心理学・学習観の変遷と教育工学研究の変遷、教育工学研究の動向と研究テーマの発想法 | 作成したいe-learning教材の提案書作成 |
第2回 | 学習科学および教育工学の重要概念、日本的授業設計手法と欧米的インストラクショナルデザイン手法の比較 | 各自のテーマに関する文献研究(オリジナリティと期待される仮説の説明) |
第3回 | 教育目標の分類と記述~スタンダードに基づく教育改革の考え方と関連づけて | 目標分析 |
第4回 | この授業で採用する教材設計の手順と学習者モデル | 誤り分析と対応策の検討 |
第5回 | 目標に対応した教授方略の決定と教材内容の発想 | 教材の素材となるスライドファイルの作成 |
第6回 | 対話制御とログの取得・活用 | 教材用ゲーム盤の作成 |
第7回 | 形成的評価と総括的評価、ログ解析 | 教材の形成的評価と改善 |
第8回 | 発表会と期末試験 | 発表会用スライドの作成と事後レポート |
www.et.hum.titech.ac.jp/~matsuda/grad-ID/new.html
・松田稔樹・星野敦子・波多野和彦(2013)「学習者とともに取り組む授業改善~授業設計・教育の方法および技術・学習評価」学文社
・ガニェ他著/鈴木他訳(2007)「インストラクショナルデザインの原理」、北大路書房
・ウォルター ディック, ジェームス・O.ケリー, ルー ケリー, /角行之訳( )「はじめてのインストラクショナルデザイン」ピアソンエデュケーション
・成績評価は、出席状況、e-learning教材上の演習を含めた課題点、及び期末試験に基づいて行う。
・毎回の課題を提出しなかった場合、単位取得はできない。
・成績評価は、出席20%程度、期末試験40%、課題40%程度の配点を想定している。
・教務課への履修申告の他に,下記連絡先メールアドレスに対して、第1回授業後直後の日曜日までに、履修希望の連絡と必要事項(学籍番号、名前、所属研究室、メールアドレス)を連絡すること。
・配布するIAGシステム上でe-learning教材を開発するため、自分のWindowsマシンを持参すること。
・期末試験は、授業で扱った用語、概念、事例、手法の理解に関するものを中心とする。